
The Maiden at Berkhof
『ベルクホーフの少女』
概要
| 原題 | The Maiden at Berkhof |
| 作曲者 | Masakazu Shiokawa / 塩川正和 |
| 作曲年 | 2025年4月 |
| 演奏形態 | ピアノソロ |
| 演奏時間 | 約2分 |
| 楽譜出版社 | LesClefsOffice co.,Ltd. |
| 著作権管理 | LesClefsOffice co.,Ltd. |
楽曲解説
オクターブがまだ届かない人のために作った作品です。やや複雑な転調がいたるところにありますが、丁寧に練習すれば大した難易度ではありません。
「ベルクホーフ」とは、第二次世界大戦中、かのナチス・ドイツを率いたアドルフ・ヒトラーの公私両方の目的で利用していたバイエルン州の山岳にある別荘です。ここは所謂戦争の「大本営」として機能し、戦前は多くの要人が訪れたといいます。
ヒトラーの私邸でもあったため、親しくしていた限られた一部の民間人も出入りしていたといい、中でもヒトラーの誕生日を祝うために訪れた「ベルニーレ・ニーナウ」という少女は、偶然同じ誕生日だったとのこと。二人は意気投合し、ヒトラー本人もまるで娘のようにかわいがったとされ、幾度となく文通も交わしたといいます。
そんなベルクホーフで撮られた二人のツーショットはお互い素朴な笑顔をしており、ヒトラーの「やさしいおじさん」としてのイメージをつくるプロパガンダとしても利用されたようです。(写真は近年発見されたものであり、2018年にアメリカでオークションにかけられ落札されました)
そんな中、実はベルニーレは祖母がユダヤ人である「混血ユダヤ人」という事実がナチス親衛隊により判明しました。
悪しき「ニュルンベルク法」において、排除の対象であるため、ヒトラーの側近たちはこの二人の関係を問題視し始めます。 当初ヒトラーはこの事実をしらなかったまでも、その後部下や側近たちから伝えられることになったとされています。
ただし、ヒトラーはそのことについて、特に気にしない、という態度をとりました。結局周りから関係を断つことを強く要請されたヒトラーはしぶしぶ従いましたが、「あいつらはいつも私の楽しみを奪っていく」とかなり不満だったそうです。
その後は歴史の知るところであり、ベルニーレ・ニーナウは17歳という若さで病気のため亡くなりました。
ホロコーストという人類史上の汚点を残した張本人が、子供に向けた愛情の前では頑なに信じ続けたイデオロギーを軽んじる、というのは非常に皮肉な話であり、私自身その二人の写真を見たときはかなりショックを受けた記憶があります。
なんとも切ない運命だ、と思い、やや寂しい曲調に仕上げました。
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